日 時 | 2011年7月7日(木) 6:00~7:00 |
回 数 | 第371回 万人幸福の栞 第11条 物はこれを生かす人に集まる‐万物生々‐ |
講話者 | 南隆寺(宇多津町)住職 大石 光昭(おおいし こうしょう) |
テーマ | 命のつながり |
備 考 | 6月度モーニングセミナー皆勤賞 授与式。今月の記念品は、丸亀駅前にある洋品店‘ドアーズカンパニー’様に協賛頂ました。髙木店長、ありがとうございました\(^o^)/ |
受賞者の方々
大石 光昭 住職
講話内でご紹介された書籍
『テーマ内容』大石 光昭
本日は「命のつながり」というテーマでお話させて頂きます。普段は本堂とかお通夜の席で、仏さまの前なので話しやすいのですが、こうやって立って皆さんの前で話をするのは難しいですね。
最近、中学2年の私の子供が「死を食べる」という写真集(宮崎学著)を借りてきました。今、死んだばかりの新鮮な動物の死体が腐って骨と毛皮だけを残すまでの姿を克明に写した写真集です。最初にダニが死体から出ていきます。スズメバチがやってきて、ハエが卵を産む、膨れた腹からうじがわいてガスが発生する、そのうじをハクビシンのような動物が食べにくる。そのあとも次々と他の動物がやってきてついばんでゆく。冬を経て春になる頃には骨と毛皮だけの姿になっている。その毛皮さえも鳥の巣に利用される。昔から鳥の巣のあるところには白骨化した死がいがあると言われました。動物の死体は頭のてっぺんから足のつま先まで他の動物のために利用されます。
人間も同じです。魚や肉、野菜、すべて死んだものをいただいている。私たちもこれらの死をバトンタッチされて生きています。しかし、人間は命のつながりの頂点というか、端っこにいてバトンを渡すことがない。
仏教の戒めの中で、その第一は不殺生戒です。守るのが一番難しいから第一不殺生戒といいます。人間はもちろん、生き物を殺してはいけないということです。私たちは他の生物を食べる(殺す)事によって、生きているのだから、これを守るのは困難です。曹洞宗では座禅をします。調身、調息、調心をして自らを点検します。そこでやっぱり自分が一番大切だということに気が付く、そればかりではなく隣、前に座る人がみな自分が大切だと思っていることに気がつく。自分の命を大切にする、と同時に他のすべての命を大切に思い、他の命への感謝の念を持つ、それが命の端っこにある人間にとって大事なことなのではないでしょうか。
すべての生き物や同胞とのつながりを横の命、連綿とした先祖、親の恩とのつながりを経の命として、今の私たちがあります。昔の大人たちは「徳を損じない」行為を善しとしました。そして、徳は自分のため、子孫のために積むものだと。
『感 想』由佐 紹二
明治政府のとった道徳教育は「世のため、人のため、国のため」に生きることを称揚しました。しかし、仏教は一貫して自分のために生きよと教えます。ただ、自分のために生きることが他を損じることなく、他に益するように。南隆寺の中庭の掲示板に『花は自分のために咲く、それでいて人を喜ばせる』とあります。
次回モーニングセミナーは、7月14日(木)
㈱ヨシイ不動産 好井 優明 代表取締役 です。
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