2011年7月26日火曜日

モーニングセミナー通信 VOL.128

日 時 2011年7月21日(木) 6:00~7:00
回 数 第373回
万人幸福の栞 第13条 本を乱さず、末を乱さず‐反始慎終‐
講話者 社団法人倫理研究所 法人局 普及事業部 次席
吉川 和儀(よしかわ かずよし)中国・四国方面 方面長
テーマ 脱皮のきっかけ
備 考 会員スピーチ:㈱11ネット・インシュアランス 松原千秋氏。
前日は吉川方面長によります幹部研修会を開催しました。

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吉川 和儀 中国・四国方面 方面長

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会員スピーチ:松原 千秋氏

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講話風景

『会員スピーチ』松原千秋

所属単会は高松南ですが、丸亀市在住のため坂出市MSに出席。自分自身の勉強の為に続けていこうと思います。

『テーマ内容』吉川和儀

昼なお暗き大森林の/何千億の樫の葉から/一番よく似た二枚を採って較べて見る/ 不思議だ/一枚だって同じものはないのだから/植物学者の語る事実が/鋭い暗示を/人間個性の問題に投げかける

人皆の声が違うように/人皆の可能性が/おのがじしなる持ち味を蔵している/愕くべき真理だ/お互い一人一人が/夫々に天下一品の特質を/おおいなるものから授かっているとは/人みな英雄!/そうだ

内に隠れて見えないけれども/現在(いま)こそ内に眠りそこに潜んで/自分にも他人にも発見(わか)らないけれども/五尺の我のうちにこそ/未見の我の偉大な姿が隠れているのだ/ありがたや

(後略、詩集『ひとりのために』から)

安積得也(1900~1994、戦前栃木県知事、岡山県知事、戦後は哲学・思想活動詩人として活躍)の「未見の我」という詩の一節です。最近、新入社員教育で多くの若者と接することがあります。そのなかで「私って、こんな人間じゃないですか?」というのが口癖の女性社員がありました。今ある自分の現状だけ見て、過去の数度の失敗で「自分なんてこんなもの」と固定観念で考えてしまう。イチローのようなトップアスリートでさえ、その潜在能力の10パーセントも使っていないと言われています。苦難を苦難ととらえない。苦難こそ「未見の我」、未だ見たことのなかった自分自身を発見するチャンスだと考える。小さな子どもはよく熱を出して親を心配させます。しかし、熱が子供の脳の回路を開いていく、目覚めてさせていくのだそうです。

倫理の矢はすべて自分に向っています。間違っても他人にその矢を向けてはいけません。自分の固定観念を他人に向けてしますことがよくあります。困難に直面した時、それが内なる自分に巡り合える、今までの自分から脱皮するチャンス、回路を変えるチャンスととらえることが大事です。

『感 想』

高知の盲目のシンガーソングライター堀内佳氏のお話を紹介していただきました。両親が子供の障害にまっすぐに向き合っていく、「盲目という障害をもつ、一人の人間、一人の男として、自立して、素敵な人生を送る、自分で限界を決めるな」という両親の厳しく大きな愛に包まれて、堀内氏の才能は開花しました。吉川方面長自身のお子様との関わりをも交えて、感動的なお話でした。

 

次回モーニングセミナーは、7月28日(木)

社)倫理研究所 法人局 大田謙二法人レクチャラーです。

経営者の集い

本日 7月26日(水)17時まで、お申込を受け付けます。ぜひ、ご出席下さい!!

2011年7月14日木曜日

モーニングセミナー通信 VOL.127

日 時 2011年7月14日(木) 6:00~7:00
回 数 第372回
万人幸福の栞 第12条 得るは捨つるにあり‐捨我得全‐
講話者 香川県坂出市倫理法人会 事務長
株式会社ヨシイ不動産 代表取締役
好井 優明(よしい まさあき)
テーマ お遍路旅日記
備 考 講話中に、二度の歩き遍路で朱印された納経帳、御影、観音経等をお見せ頂きました。

 

s-2011.7.14MS 講話者:好井優明氏

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講話風景

『テーマ内容』好井 優明氏

きっかけは挫折。昨日まであった仕事・家族がなくなり、人生最大の危機を迎えパニックに。とにかく状況を整理しなければならないということでお遍路に出ることを決意しました。すぐに出発できるわけではなく準備が必要です。「観音経」を88巻写経し、1日3回読経3巻しました。決意してから約半年後にやっと出発できました。私の旅のテーマは、「家族とは、親子とは」でした。

遍路道のいたるところに先人お遍路たちの亡骸を埋葬したであろう無縁仏があり、怖くなり、さらに真っ暗なトンネル、狂犬との1対1の対決、雪の山道、夜の山で野犬に囲まれたりでドキドキ感が増す中、遍路道の脇の木の枝に掛けられているさまざまな言葉・・・「世の中は因が有って果がある」「感謝の気持ちを持てる人が幸せになる人」等・・・に触れながら無限に続くかと思う坂道の先に、たどり着いたお寺で手を合わせたときに気づくことが、私のテーマに対するその時の答えであり、88通りの答えがありました。

歩いているとお接待として地元の方々から、食べ物や飲み物、お金(200円程度)を頂くことがあります。

基本的には、必ず受け、「○○様ご一家の末永い繁栄をお祈りいたします。ありがとうございます。」と言って納札を渡しますが、人の温かさに触れた感じで、これが結構背中を押してくれるパワーになりました。時には人生相談を持ちかけられることもありました。

お遍路に何回まわるとご利益・教え・導きがあるということではなく、日常生活そのものが修行であり、お遍路そのものであると思います。

「我」というススで汚れやすいですが、お遍路で清められたきれいな心をいつまでもキープしておきたいものです。

ぜひ、皆さんも八十八カ所全部でなくとも、何ヶ所かだけでも廻ってみて下さい。

初級コース:78郷照寺⇒79高照院(6㎞ 2時間)

中級コース:毎年75善通寺で行われている7ヶ所まいり 海岸寺⇒71弥谷寺~77道福寺(7時間)

上級コース:80国分寺⇒81白峰寺⇒82根香寺(10㎞ 6時間)

 

感 想 :山本 美香

「全てのことを決して切り離そうとせず、全て肯定的に受け入れそれを土台にする。次に自分を厳しい場に持っていくことのより甘えを捨てる。与えられた枠の中で甘えた生活はダメ。出来ることだけやるのはダメ。自分を追い詰めて難しいことに挑戦し乗り越えていこう」とうい言葉が印象的でした。日常生活にお遍路の旅を重ねる姿勢が素晴らしかった。ありがとうございました。私も初級コースのショートお遍路に挑戦してみようかな。

次回モーニングセミナーは、7月21日(木)

社)倫理研究所 法人局 普及事業部 中国四国方面 吉川 和儀 方面長です。

2011年7月12日火曜日

モーニングセミナー通信 VOL.126

日 時 2011年7月7日(木) 6:00~7:00
回 数 第371回
万人幸福の栞 第11条 物はこれを生かす人に集まる‐万物生々‐
講話者 南隆寺(宇多津町)住職
大石 光昭(おおいし こうしょう)
テーマ 命のつながり
備 考 6月度モーニングセミナー皆勤賞 授与式。今月の記念品は、丸亀駅前にある洋品店‘ドアーズカンパニー’様に協賛頂ました。髙木店長、ありがとうございました\(^o^)/

 

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受賞者の方々

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大石 光昭 住職

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講話内でご紹介された書籍

 

『テーマ内容』大石 光昭

本日は「命のつながり」というテーマでお話させて頂きます。普段は本堂とかお通夜の席で、仏さまの前なので話しやすいのですが、こうやって立って皆さんの前で話をするのは難しいですね。

最近、中学2年の私の子供が「死を食べる」という写真集(宮崎学著)を借りてきました。今、死んだばかりの新鮮な動物の死体が腐って骨と毛皮だけを残すまでの姿を克明に写した写真集です。最初にダニが死体から出ていきます。スズメバチがやってきて、ハエが卵を産む、膨れた腹からうじがわいてガスが発生する、そのうじをハクビシンのような動物が食べにくる。そのあとも次々と他の動物がやってきてついばんでゆく。冬を経て春になる頃には骨と毛皮だけの姿になっている。その毛皮さえも鳥の巣に利用される。昔から鳥の巣のあるところには白骨化した死がいがあると言われました。動物の死体は頭のてっぺんから足のつま先まで他の動物のために利用されます。

人間も同じです。魚や肉、野菜、すべて死んだものをいただいている。私たちもこれらの死をバトンタッチされて生きています。しかし、人間は命のつながりの頂点というか、端っこにいてバトンを渡すことがない。

仏教の戒めの中で、その第一は不殺生戒です。守るのが一番難しいから第一不殺生戒といいます。人間はもちろん、生き物を殺してはいけないということです。私たちは他の生物を食べる(殺す)事によって、生きているのだから、これを守るのは困難です。曹洞宗では座禅をします。調身、調息、調心をして自らを点検します。そこでやっぱり自分が一番大切だということに気が付く、そればかりではなく隣、前に座る人がみな自分が大切だと思っていることに気がつく。自分の命を大切にする、と同時に他のすべての命を大切に思い、他の命への感謝の念を持つ、それが命の端っこにある人間にとって大事なことなのではないでしょうか。

すべての生き物や同胞とのつながりを横の命、連綿とした先祖、親の恩とのつながりを経の命として、今の私たちがあります。昔の大人たちは「徳を損じない」行為を善しとしました。そして、徳は自分のため、子孫のために積むものだと。

『感 想』由佐 紹二

明治政府のとった道徳教育は「世のため、人のため、国のため」に生きることを称揚しました。しかし、仏教は一貫して自分のために生きよと教えます。ただ、自分のために生きることが他を損じることなく、他に益するように。南隆寺の中庭の掲示板に『花は自分のために咲く、それでいて人を喜ばせる』とあります。

次回モーニングセミナーは、7月14日(木)

㈱ヨシイ不動産 好井 優明 代表取締役 です。

2011年7月4日月曜日

モーニングセミナー通信 VOL.125

日 時 2011年6月30日(木)6:00~7:00
回 数 第370回
万人幸福の栞 第10条 働きは最上の喜びー勤労歓喜ー
テーマ 『 ビデオ学習 万人幸福の栞 第10条 』
備 考 1年振りのビデオ学習です。資料に『ビデオ 万人幸福の栞 解説集』を付けています。これを読むだけでも栞の内容がよく解かります。

s-MS20110630 001 会長挨拶:丸山保夫会長

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本日の講師?!

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『ビデオ学習』

久々のビデオ学習です。本日は第10条『働きは最上の喜び』-勤労歓喜-、万人幸福の栞P71~P76の解説です。

「世に楽しみは多い。好きな食べ物をたべる、美しい物を見る、よい着物を着る----いろいろの喜びの中で、どれほどつづけるも、如何にひどくとも、いよいよ高まり深まって行くのは、働きに伴う喜びである。地味で素朴で尽きぬ喜び、中でも、まことの働きにより、人を助け、人を救い、人の喜びをわが喜びとする、その喜び、これこそ地上無比の喜びである。」

何度も輪読し、そのたびに心に響くこの1節ですが、このたびの東日本、東北大震災の報道を垣間見るたびに、人の働きの意味を改めて考えさせられます。震災地の暴走族の若者たちが地元警察の方たちの前で解散式をする場面。バイクも無くなった、走る道路さえなくなった、しかし、自分たちのやるべき仕事が見えてきた。明日から自分たちは被災地復興のためのがれき撤去のボランティアに掛ります!と宣誓する若者たちのはればれとした表情を見る時、彼らは今、喜んで働く時、場所、事を見つけたのだと思いました。

先般、さぬき市で講話された中西法人局長は被災地の倫友の惨状と生の声を飾らず淡々と話されておられた。「現地では、間違っても『苦難福門』などとは言えない、ただ、そうだったか、大変だったねと聞くしかない」、局長はこころなしか痩せてやつれた様にも見えた。しゃがれた声はいつも以上にしゃがれ、顔も日焼けして真っ黒だった。多くの倫友が被害に遭われ、今この時も心も体も鞭打って必死に頑張っていることを思う局長の心情が理解された。

「存在するものは、すべて使命と価値を持つ。その使命と価値は、正比例する。」-存在するものは、一切である。人間はもちろんのこと、あらゆる物質を含めた動植物、すべて存在するものはすべて使命と価値を持っているということであり、その使命が大きくなればなるほど、その価値は高くなっていくー。

日本中の人々が、改めて自らの仕事を振り返っている。芸能人も、学者も、評論家も、政治家も、自分は本当に「自分の只今ついている仕事の尊さを悟って」仕事をしているかと、問い直している。仕事とはその人の使命であり、その仕事の結果がその人の価値となる。今回はビデオの解説ではなく、感想となってしまいました。(陳謝)

 

次回モーニングセミナーは、7月7日(木)

                       南隆寺(宇多津町)大石 光昭 住職 です。